中古ノート液晶を利用したモニタの製作1
●はじめに
今回紹介するのは、自作液晶モニタを作るきっかけになった、
SONY VAIOノートSRシリーズの液晶パネルを扱います。
実は、数々の液晶パネルを入手しながら、
現在マトモな形に仕上がって使用しているのはこのモニタだけだったりしますが(笑)
ちなみにこのモニタ、最近の大型液晶テレビのように、セパレートタイプにしています。
元のケースを流用したパネル部分と、制御基板とOSDスイッチ等を納めたコントローラー部分の2つに別け、
パネル側にコネクタを取り付けて取り外す事が出来るようにしました。
なぜこのような形にしたかというと、元々車に乗せて使いたかったという経緯に始まっています。
しかし、一体化してしまうと、流石にメーカー製液晶テレビみたいな薄さで作る事は出来ませんし、
一体化してもRGB(VGA)入力用のコネクタが見える姿は不細工という理由です。
とか言いつつ、実際に車に乗せてみるとデカくて不具合があるので、
結局のところ、自宅のゲーム(エロ)マシン兼枕元テレビモニタとして使っています。
まぁ、10インチという大きさと、SVGA(800×600)の解像度では、流石にメインマシンには使えませんし。
というかこれ、本当にザックリとしか説明してませんヨ(^^;
●使ったもの
まず、今回の使用品です。
◇SONY VAIOノートSR用液晶パネル(ケース付き)
私は貰い物を使いましたが、ネットオークションなら使用出来る物を入手出来そうです。
あとはジャンクノートから取り外すか、ジャンク屋さんのガラ箱から程度の良いものを探すしか無いかも。
中には、LTM10C345という東芝松下ディスプレイテクノロジー社製のパネルが入っています。
この液晶は、サイズが10インチで、解像度は800×600ドット(SVGA)、階調は各色6bitで、
インターフェースはLVDSのものです。バックライトのCCFL(冷陰極放電管)は1灯です。
◇愛天堂 液晶自作キット A-100K
実は購入当時、Aシリーズ全ての標準接続ケーブルと制御MCUがセットになった、
スーパーパックという商品が売られていたので、そのセットを購入しました。
たまに、入手した液晶の動作確認を行うために使ったりもしてます。
ただ、現在ではAシリーズは在庫限りの販売なので、Cシリーズを利用するのも手なんですが、
こちらの場合、標準でLVDS出力が使えるようになっていないので、パラメータを変更する必要があります。
また、A-100Kのキットでも、一部LVDSトランシーバが搭載されていないモノもあるようで、注意が必要です。
◇冷陰極管 1灯用インバータ
愛天堂のweb通販で売られていたもので、接続用ケーブルとセットで購入。
他のサイトを見てみると、時期やら在庫の具合で、届く商品は同じ物とは限らないようです。
この時届いた製品はTDK製のものでした。
◇タカチ電機 薄型アルミケース YM-180
制御コントローラー基板を納めるために用意しました。
一時はAT互換機をバラックで使っていた事もありますが、流石にムキ出しは心もとないので(^^;
◇2.0mmピッチコネクタ
制御コントローラーに繋ぐために使用します。
私が主に入手するのは、シリコンハウス共立か、ニノミヤエレホビー店です。
何故かどちらもヒロセ電機製のものしかありませんが、他の物があればそれでもOKです。
最悪、パソコンパーツ店にて、2.5インチHDD接続用のケーブルを購入するのも手です。
あと、私はフラットケーブル圧接用のものを必要なピン数に切って使用していますが、
本来ならバラ線圧着用のものを買うのがベストでしょう。
私は、この手のちっちゃな端子で使える圧着工具が無いので使わないのですが。
◇20ピンコネクタと10ペアシールドケーブル
今回のコンセプトは、モニタ部分とコントローラー部分を分離できるようにと言う事で、
何か適当なコネクタをシリコンハウス共立で探していたところ、ヒロセ電機の20ピンコネクタを発見しました。
このコネクタ、見かけはNECのPC-98x1シリーズに良く使われたSCSIコネクタみたいな形ですが、
その類のコネクタと互換性が無いと書かれていたので、敢えて採用しました。
自分しか使わないので接続で間違う事は無いのですが(^^;
ケーブルは、この手のコネクタに使われる10ペアシールド線を使いました。
◇アルミ材いろいろ
スクラップ置き場から持って帰って転がしてたチャンネル材や、
新たに購入した不等辺アングル、フラットバーを適当に使用しました。
◇ねじ類色々
基本的にM3とM4のISOねじを使用しています。
それ以外、平ワッシャーやスプリングワッシャーを適量、
真鍮製のスペーサーも使用しました。
●まずは信号線接続
貰いもんの液晶な訳ですが、接続に必要なデータまで貰ってます。
なので、パネルに繋がっているケーブルの色を見ながらはんだ付けすればOKだったり。
コネクタは、必要なピン数に切断して使ってます。
私みたいにフラットケーブル圧着用コネクタに直接ハンダする場合は、
くさび型の部分同士を広げてブリッジしにくいようにおいた方が作業が楽です。
仕上がったら、補強のためにホットボンドか接着剤を付けておくと良いでしょう。
まぁ、動作確認してからですが(爆)
●表示テスト
とりあえずコネクタへの配線が完了したので、制御基板に繋ぐことに。
動作確認なのでバラックで。
何か写ってますが、実はコンポジットビデオで繋いでたり(笑)
●実際に使えるように色々加工とか
カメラ用の雲台に取り付け出来るように、アルミのチャンネル材を加工して取り付け、
底面に当たる部分には、1/4インチのねじ穴加工をしています。
肉厚が薄いので、1/4のステンレスボルトを無理矢理ねじ込みましたが、
本来はタップでめねじを切るべきですね(笑)
別の工作で、無理矢理タップの技が通用しなかったので、今は購入して持ってます(笑)
SVGAなので用途は限られますが、サブモニタとしても良い感じです。
元々車載を前提に考えていたので、制御基板はタカチ電機のYM-180というアルミケースに収めました。
パネルへの接続は、10ペアのツイストペアシールドケーブルを使い、
LVDSの信号とインバータの一次側電源を送っています。
その他、付属品である端子付きのケーブル類は邪魔にならないように短く処理してます。
本当なら、RGB(VGA)入力のD-SUBコネクタもハンダ用の物を買ってやれば良いのですが、
余らせた所で別の用途に使われる事はないので、邪魔な基盤を外して繋いでやりました。
ケーブルの結束には、ビニール製の結束用のヒモを使いました。
今では使う人も減りましたが、制御盤内等の細い電線を結束するのに良く使われている品物です。
日本橋だと、三重電業社などの電材屋さんで扱っています。
●実際に乗っけてみた
つーわけで、車に乗っける前にブラケットを取付。
しかし、実際にモノをつけてみると…
取付前に予想が出来ただろうと言う意見ももっともなんですが、
やはりデカい( ̄▽ ̄;
デカいだけなら兎も角、わかっていながらエアコンの吹き出し口を塞いだのはまずかった。
エアコンの効きが凄く悪くなるのである(爆)
ノートパソコンの流用なので、極薄にしてこのサイズというインパクトは与えられるし、
ネタの要素では十分満点なんだけど、実用性として前に付けるのは宜しく無いみたいだ。
続く?
Home